第1回 nendora国立美術館所蔵 現代前衛お写真展




●作品No.1 EL. DORADO


無防備に向けられた魅惑的な背中。
張り出した両肩の曲線、肩甲骨の隆起の何と美しいことよ。
だが、我々がいくら近付こうとしても目の前に広がるこの美しい都には辿り着くことが出来ないのだ。
写真家は、敢えて被写体を右寄りに配置しピントをぼかすことにより、引き寄せられるように追いかけても追いかけても永遠に近付くことの出来ない絶望感と、それでもじっと目標を見据え歩みを止めない冒険者の不屈の魂を映し出している。







●作品No.2 Eeclipses


観世音菩薩と天照大御神を一緒に写したような神々しいお写真である。
だがしかし、白く美しいうなじも、まぶしい輝きを放つはずのおでこもほとんど隠れてしまっている。
これは日蝕と月蝕が一度に起きたようなものではないか。
なんと不吉な写真なのだろう。
いや、太陽戦隊サンバルカンの主題歌にこういう一節がある。

太陽が燃えている限り 必ずまぶしい朝が来る
悲しみの夜が続いても 君は負けずに朝を待て



そうだ、諦めてはいけないのだ。
どんな逆境でも希望を持て。
そう強く訴えかけてくる1枚である。